
BIOGRAPHY
MAO SONE
曽根麻央は、トランペットとピアノの両方を卓越した技術で操る希有なアーティストとして、「ジャズ二刀流」と称されるマルチインストゥルメンタリスト。演奏家、作編曲家、プロデューサーとして国際的に活躍している。
音楽一家に生まれ育ち、父方の祖母は三味線奏者、母方の祖母はジャズ喫茶の元オーナーという環境の中、幼少よりクラシック・ピアノに親しむ。次第に即興演奏や音楽理論への関心を深め、8歳でルイ・アームストロングに影響を受けてトランペットを始める。9歳から地元・千葉県流山市を拠点に音楽活動を開始し、早くも日野皓正やレイ・ブライアントと共演を果たす。高校3年時には前田憲男、猪俣猛との共演を経てプロデビュー。
2010年、米バークリー音楽大学に全額奨学金で入学。2014年に首席で卒業後、同大学修士課程の第1期生として2016年に再び首席(summa cum laude)で修了。在学中はタイガー大越、ダニーロ・ペレス、ジョン・パティトゥッチ、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルックらに師事し、ニューポート、モントリオール、モントレー、トロントなど世界有数のジャズ・フェスティバルにも出演を果たす。
2014年、国際トランペット協会主催ジャズ・コンペティションで優勝。同年、セロニアス・モンク国際ジャズ・コンペティションのファイナリストに選出。2016年には“Keep an Eye”国際ジャズ・アワードで優勝するなど、数々の国際的な賞を受賞。2017年には自身のバンドを率いてニューヨーク・ブルーノート、ワシントンD.C.のブルースアレイといった名門ジャズクラブに出演。同年、The Berklee Global Jazz Workshop at the Newport Jazz Festivalではアンサンブルおよび金管楽器の指導を行い、エデュケーターとしてのキャリアもスタートした。
2018年、全曲セルフプロデュースによる2枚組フルアルバム『Infinite Creature』(ポニーキャニオン)でメジャーデビュー。東京を拠点に国内外で精力的な演奏活動を展開するなか、2020年には主演を務めた映画『トランペット』(ケヴィン・ヘフリン監督)が国内外の映画祭で多数受賞。劇中音楽の総合ディレクションも手がけ、高い評価を受けた。
2022年には、結成8年目を迎える自身のオリジナル・バンド “Brightness of the Lives”(井上銘〈gt〉、山本連〈b〉、木村紘〈ds〉)とともにアルバム『Brightness of the Lives』(Reborn Wood)をリリース。ジャズ専門誌『ジャズ・ジャパン』の表紙を飾り、ブルーノート東京やビルボード大阪でのリリースライブも成功を収めた。
2023年には初のソロアルバム『プレイズ・スタンダード』を発表。上海・北京での中国ブルーノート・ツアーを開催し、好評を博す。2025年にはEXPO 2025 大阪・関西万博の開会式にて演奏を務めた。
作編曲家としても幅広く活動し、2018年にはダニーロ・ペレスによる『Jazz 100』公演に編曲を提供。2019年にはウェイン・ショーターのオペラ『Iphigenia』の一部写譜を担当。さらに、テリ・リン・キャリントンが音楽監督を務めた『Nat King Cole Christmas』公演では複数楽曲の編曲を手がける。2024年公開のNetflixシリーズ『さよならのつづき』では、ピアノ監修、挿入曲の作編曲・演奏を担当するなど、ジャンルを超えて精力的に活動を続けている。